僕は就活を証明しようと思う。

完璧な就活というものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

就活生よ!三井不動産を褒めるな!むしろディスれ!!そして愛せ

skogaku.hatenablog.com

以前こちらの記事で大きな反響をいただいた企業を褒めるな!ディスれ!による企業研究シリーズ第3弾。今回初見の読者にも簡単に説明をすると、企業は自社を好きな人が欲しいのではなく、自社を成長させてくれる人がほしい。ならば企業を褒めるのではなく、むしろ企業の目指すところと現状の間にある課題点を発見するのが企業研究であり、自分ならこう解決をするというのが自己分析であり自己PRだというのが本論文の骨子である。


背景等が気になる方は上のリンクや下記寄稿文をご覧いただきたい。

www.onecareer.jp

www.onecareer.jp


三井不動産の現状を知る

改めて言うまでもないが、愛のないディスりは最悪だ。愛とは何かというと、まずは相手を理解することに他ならない。まずは相手を正しく理解してみようということで、言わずとしれた三井不動産のビジネスモデルを三菱地所と比較しながら理解したい。

 

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 ※単位:百万。2018年3月期のIR資料を元にセグメント区分を編集。

 

ポイントとしては以下だろうか。

  • 法人向けビル賃貸に強い三菱、消費者に強い三井。オフィスの三菱、住まいの三井とも言える。
  • アウトレットやミッドタウン等商業施設収益も三井の方が高い。生活者の暮らしにより近いのが三井。


上記の通り、大手不動産デベロッパーの両雄であっても、持っているアセットが異なりビジネスモデルも異にしている。例えば、三菱地所がオフィス賃貸にこれほど強いのは、丸の内の大家さんと呼ばれるくらいに丸の内の土地を資産として保有しているからだろう。


なお三井不動産三菱地所を会計視点で大手町のランダム・ウォーカーさん(@OTE_WALK)が分析していた記事も非常に参考になる。


三井不動産を褒めるな!ディスれ!

さて、ここで読者の皆さんがするべきことは「より生活者に近い御社のモデルが法人メインの三菱さんよりも~」「日比谷ミッドタウンを訪れて“都市に豊かさと潤いを”が実現していることに感銘を受け~」とか目をウルウルさせながら言うことではない。誤解がないように言うが、上のあたりは必要条件ではあれど、十分条件ではないと筆者は考えている。つまり会社の理念やビジョンに共感してくれる人は欲しいが、それだけで採用になるわけではないということだ。


逆に、三井不動産ディスるポイントはどこにあるのか?

三井不動産が軸足を置く生活者マーケットは今後どうなっていくかから探ってみたい。

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出典:総務省|平成28年版 情報通信白書|人口減少社会の到来

 

三井不動産の事業課題として何よりも大きいのは、今後の国内における人口の減少だろう。さらに人口が減るだけでなく高齢化という社会問題もはらんでいる。例えばマンションを例に取ると、売上=販売個数×単価となり、人は減るため販売戸数も単価も下げざるを得ないことによる売上減少が考えられる。また商業施設も同じく生活者が払うお金が収益に繋がっているため人口減が直接的に影響をしやすいビジネスモデルになっていると言える。


もちろんマーケットのパイが減っていく中でも競合からシェアを奪うという方法は考えられるが、筆者の個人的な感覚だと三井ブランドにリーチ可能な消費者の一定のシェアはすでに獲得済なのではないかとも想像できる。


┃ディスった先にある愛

さて愛のないディスりなんて、ただの悪口であるように、ここからはその課題をどういう方向でなら解決をできるか考えてみたい。セオリー通りのグループディスカッションなら、人口を国内と海外に分解し、海外事業に脈アリ!という回答や、マンションやオフィスというハードではなく、そのハードの上にあるソフトも提供することで複数のキャッシュポイントを作るということが想像できる。ただ、主観だが日本を代表する企業として少し面白みにかけるので、もう少し壮大な絵を描いてみたい。


結論から言うと筆者が思い描いているのは、青臭く聞こえるかもしれないが“都市の再発明”である。


結論の部分を説明する前に、そもそもの「人口減少」の理由を探ってみたい。


話は一度それるが、日本の社会課題の1つに「地方創生」も挙げられる。下記を見てみると全体の全国約1800市町村のうち約半数が2040年時点で「消滅可能性都市※」となる可能性があるとされている。(※定義基準は「2040年時点で20~39歳の女性人口が半減する自治体」)

 

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 (出典)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口推計」


「日本の人口減」というのはグローバル化の中で競争力を保つにも、三井不動産の事業的にも由々しき事態であるのだが、上記のとおり地方の人口減・東京への流出から考えると、人口が東京に集中をするせいで、人口が減っていることがわかる。なぜならば、東京で絶えず耳にする「待機児童の問題」「家賃や育児にかかる費用」「子育て環境」を考えると、東京で出生率を上げるのは困難と言わざるを得ず、少し古いがデータ上でも、東京の合計特殊出生率は全都道府県の中で最下位だ。

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つまりである、日本の人口減を解決するには、東京の出生率を上げるか、子育て環境の良い地方の人口を維持するか(あるいはその両方か)となる。筆者は自分の体験からも、東京で子育てをしながら住むためのコストを稼ぎながら、2人以上の子どもを育てるのは中々にしてシビアだと感じてしまう。であれば残る選択肢は、地方の人口を増やす、ことで壮大ではあるがこの課題を解決できるプレイヤーこそが三井不動産ではないかと感じるのだ。


三井不動産のS級アセット
少し具体的に説明していきたいのだが、三井不動産の強み(格好良く言うとアセット)は下記のようなものがあげられる。


1) 人の住まいを作れる(マンション事業)

2) 住まう人のライフスタイルを作れる(商業施設)

3) 住まう人が働くハードとソフトを作れる(オフィスビル事業)

4) 海外からの観光客が滞在できる(ホテル事業)

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出典:三井不動産投資家向け説明資料

 

つまりである、人が街を形成するに足るハードとソフトを提供できるのが三井不動産の強みなのだ。であるならば、ここからはジャストアイディアでしかないが、例えば生活者の多様なライフスタイルに答える意味でも、「子育てのしやすい街」をコンセプトに「マンション」や保育所、「商業施設」を地方に作り人を誘致し、人が集まることで会社が生まれて「オフィスビル」需要が発生し、便利だから人が集まる街ができ、国内海外からの観光客も増える(ホテル事業)という街づくりであり事業成長のサイクルが生まれるのではないだろうか。


地方の街づくり、ひいては都市の再発明”三井不動産で実現することが、そのまま三井不動産の事業課題の解決にも繋がり、(これは完全に余談だが)日本版シリコンバレーのような街が誕生することを筆者は願っている。

 

 

 

#就活をもっと自由に、への違和感を証明しよう。

賛否両論を巻き起こしているP&G社の #就活をもっと自由に キャンペーン、である。

このキャンペーンはP&GとPR会社、就職支援会社のワンキャリアさんがタッグを組んで行ったようなのだが、キャンペーンそのものから、その後の盛り上げ方について得体の知れぬ違和感を感じたのでまとめてみようとおもう。

【1】キャンペーンそのものへの違和感

就活中の髪型に関する#1000人の就活生のホンネ | パンテーン (Pantene)

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このキャンペーンを発端に #就活をもっと自由に、というキャンペーンが展開されている。

まず一番筆者が違和感を感じたのは、肝心の学生が置いてけぼりにされていないかということだ。

確かにアンケートの中に、自分を偽った経験がある81%、髪型や服装に違和感71%という結果が乗っている。

ただし、学生にとっての「自由」はあくまでも手段であり、目的は「行きたい企業の内定をとること」だろう

偽った経験も、服装に違和感も感じるけど、内定取れればなんでもええわ!が学生の本音ではないのか?

だとするとここで、誰のために、何のために自由にすべきかという疑問が生じる

上の文脈で捉えると、自由とは学生にはあったほうがいいが、そこまで重要なものでもないのではないか?(アンケートで不満がありましたかと聞いたらこう出るのはあたりまえだろう)

※ここでは自由=偽らないこと or 服装・髪型の自由と定義する

以下、仮説と意見だ。

 

1)自由でないと内定が取れない?

それはない。なぜなら「自由でない」条件下でも内定を取っている人がいる 

2)自由でない(偽った)就活をして内定もらっても相性がわからない

これは確かにそうだろう。ただ学生本人がそう思うなら、自分が偽らなければいいだけの話だろう。それで落ちたら、相性が合わなかったということがはっきりしていいだろう。

3)"行きたい憧れの企業"なのに、偽らないと入社できなそう

それは貴方にとって行きたくない企業じゃないか?

4)自由なら受かるのに

そう思うならやってみればいいと思う。いい結果になることもあるだろう。

5)同じ髪型とか可愛くない!スーツあちーーー!!なんでスーツなんだよ

この感情論がむしろ一番共感できる。確かに暑いしオシャレはできない。内定を取れない理由を自由に置いてない分、一番気持ちいい。

2〜4に共通して感じる違和感の正体はこれだ

 

「偽るかどうかを決めているのは自分だ」

 

"行きたい企業"に入るためには偽らないといけないんです!だとしても、そうまでして、行きたい企業に位置づけているのは自分だろう。このキャンペーンと一連の流れをみると忘れそうになるが、日本は資本主義なのだ。企業という買い手(総合年収にしたら3億以上)が、学生という売り手から人的資本を買っているのだ。ならば買い手のニーズに合わせて、偽るも偽らないも、自分をどう売るか(あるいは売らないか)という戦略は個人に委ねられているはずで、誰に強制されたものでもないはずだ。

 

逆に、あえてビジネスライクな言い方にするが、企業からしたら高い買い物なのだ。そして企業は本業で利益をあげるための資本市場で凌ぎを削っており、そこで勝ち抜くために労働市場から労働力を調達しようとしている(勿論個人の欲求にも答えないと、すぐに労働力は損なわれてしまう)。仮に、その企業のビジネスを伸ばす人材が「真面目でコツコツやめない人材」だったとしよう。そうしたときに、面接にスーツで来て、ちゃんとした髪型をしていて、人の意見に合わせられる(偽ることができる)マナーのいい子を採用したいから、服装や協調性を見る。という選考をしていたとして、誰がこれを否定できるのだろうか?勿論、これじゃ企業は伸びないとか、採用できないとかいう意見はあるだろうが、それは買い手の意思決定の問題で外野がやんややんや言う問題ではない。

 

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「偽らざるを得ないんです」という事例もあると、このような記事も紹介されたが、仮に企業が就職浪人という事実を嫌がったとしても、それは残念ながら企業の勝手だし「無数にある企業の中から、そこに受かるために留年を選んだ」のは自分自身だ。また後述するように、私が体裁をあまり気にしないベンチャー企業の採用担当者なら、凄く優秀だと面接で感じた就職浪人生と、そうでもない就活生なら前者を選ぶだろう。この事からも、偽るかどうかは、選ぶ企業と、自分の実力による結果として捉えるべきだと思う。

長くなってしまったので、ここまでをまとめるとこうだ。

  • 学生が得たい内定と自由には関係がない
  • 学生にも選択の権利はある
  • ただし企業にも選択権はある

そして矛盾するようなのが、偽ることを選んでいる学生こそ、本当の意味で偽らない(後述する実力をつける)ほうが内定を取れる可能性がある。必要なのは自分の実力と勇気だろう。このキャンペーンに乗っかってそうだ私服だ!とか言ってる暇があるなら本当この本でも読めば自分の動きは180度変わるだろう。 

内定童貞 (星海社新書)

内定童貞 (星海社新書)

 

 【2】ワンキャリアQ&Aに寄せられた質問への違和感

上記までなら、筆者はP&Gのブランド戦略に舌鼓をうってもいいくらいだった。ただし、本記事のきっかけでもあるのだが筆者も寄稿をしているワンキャリアというメディアのQ&Aでこのような質問がされたのだ。ワンキャリアさんにはお世話になっているし、めいこさん、寺口さんのtweetは共感できる部分も多い。だからこそ余計に違和感を感じてしまった。

 

偽らざるを得ない就職活動?

上記の通り、「意中の企業に入るために偽ることを選んだ就職活動」ではないかと空目したが、どうやら違う。Twitter上で色々やりとりはあったのだが、それに対する編集部の方(@telinekd)の意見はこうだ。

シンプルに言うなら、就活を自由にするためのアクションを「偽らざるを得ない。」と尖った表現(マイルドにしない)にすることで生みやすくしたんだ。ということだと解釈をした。(違ったらご指摘いただきたい)

これに対して、筆者が感じた意見はこれだ。

1)構造に対する問題提起は誰のためなのか?

【1】で述べたように学生が求めているのはマッチする企業への内定で、自由ではないはずだ。自由がない!という構造は誰の何にとって問題なのだろうか?

2)アクションを促すためなら表現は自由なのか?

確かに表現の自由は保証されている。なのでこれは倫理観の問題なのだが、正直この発言をみて、僕は怖さを感じた。気分を害したら申し訳ないが、思い出したのは東日本大震災後に「放射能がくる」という表紙で大炎上したAERAだ。繰り返しだが、表現の自由があるので、倫理観の問題だが「偽らないと受からなそうだったから偽ったという解釈」を「偽らざるを得ない」と断言してしまうように、事実でないものを、表現で煽ることには強烈に違和感を感じるのだ。ポジショントークには筆者も賛成だが、片方の側面しか敢えて見せないのはポジショントークでも何でもなく、個人的には煽動だと思う。

※賃貸と分譲のメリット・デメリット両方を上げた上で、僕は分譲=ポジショントーク
※家賃が持ったいない!分譲だ!= 煽動

3)就活生をマイナスに導く可能性すらある

また影響力の低い個人ブロガーならまだしも、ワンキャリアさんのように学生から指示を受けているメディアがこういう表現をすることで、「偽らざるを得ないのか、、、」という編集部とは裏の解釈をしてしまうことを、どうして置き去りにしてしまったのだろうか。。仮にコレを表面的に見て他責にした学生が、自分を偽り、ただ自由にしろ!と声をあげるだけの学生になっても、それは2)にあるようにポジショントークだから、そういう人が出ても仕方ないと済ませるのだろうか?

またも長くなったので第2部に1部の意見をまとめるとこうだ。

  • そもそも自由を獲得する動きが本質的に学生と企業のためなのか疑問
  • 「偽らざるを得ない」というのは事実ではない。事実偽ってない人もいるし、偽った人も自分の判断
  • その事実でないことをアクションを促すために断定で表現
  • その結果、勿論マイナスにふれる人も出る

【3】じゃあどうすればいいか?筆者にできることは?

上記やり方にはおそらくどれだけ説明されても納得はいかないが、学生が健全な競争を勝ち抜き行きたい企業にいければいい、というのは筆者も一緒だ。だとしたら学生は何をすべきなのか?自由を獲得する自由民権運動か?絶対に違う。

 

実績・実力をつけること

 

繰り返しだが、企業がほしいのは自社を持続的に稼がせてくれる人だ。だとしたら欲しいのは、一定期間辞めずに売上伸ばしてくれる人、だ。ならばやることはだたひとつで、実績と実力をつける以外にない。その結果として実力があるなら内定をもらえて選ぶ立場になり、自由を獲得できることは往々にしてあるだろう。

では脆弱なツイッタラーの僕には何ができるか?その「正しい実力」をつけてもらう支援くらいだろう。

キャッチーな感じにしようと思ったら一部評判が悪いがw、恋愛工学のテクノロジーはそのまま就活に応用できると思い書き始めたのが就活工学だ。 

 

skogaku.hatenablog.com

そして本記事を見た編集部のめいこ氏(@meiko_oc)  よりお声がけをいただき、ワンキャリアさんのメディアでも、既存の仕組みに対して不満を言う学生でなく、不満をいいつつ、自分が勝ち抜くための技量をつけてほしいと思ったので連載をもたせてもらうことにしたのだ。

www.onecareer.jp

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大変長くなったが、少なくても筆者は、自由民権運動ではなく、実力をつけて内定を勝ち取る人を増やしたいなと思っているし、勝ち抜く術は実力とテクノロジーしかないと思っている。既存の仕組みにNoを唱えるのも自由だが、少なくてもそれは貴方の内定とは直結しないことには注意が必要だ。

 

そして、最後に一言だけ言いたい。

 

世の女性に向けてイケメン差別反対運動をして僕をモテるようにしてほしい。

以上。

 

<補足>10/3 10:00

少し勘違いを生んでしまっているようなのだが、【1】の就活に自由を、だけなら筆者は賛成はしないが、反対もしない。内定をとることと自由は関係ないと思うが、自由を唱えるのは自由だからだ。

北野氏のエントリーが一番客観的かつ冷静に書かれている。
つまり、今の世界の総論とは「就活も、服装も、髪型も自由にすべきなのは、わかっているけど、誰からどう変わればいいのか、わからない」ということなのだ。
これを、自由を求めているが、同調圧力があり自由を選択しずらいと捉えるならその通りだと思う。
 
繰り返すが問題は【2】の、偽らざるを得ない就職活動という断定と、その断定をアクションを生むためだと肯定してること、そしてその自由が内定を取るという意味において学生のためにならないということだ。
 
実力をつけろというのは酷だ、という意見も散見されるが、どう考えたって社会は錯覚資産を含む実力社会で実力ある人には自由があるというのは真理だろう。
 
学生には酷だという話なのかもしれないが、体育会系出身の僕としては実力がありレギュラーを掴んだ選手なら、多少怪我をしたって休んだって、体調不良だと正直にいったってポジションはある。つまり選択肢はある。残念ながら私みたいな下等選手は、レギュラーを取るためだったら多少怪我しても体調不良でも自分を偽る選択をして練習にでなければならない。これを推薦組が多いから、とか坊主頭が嫌だとかいっても何も始まらない。では辞めてくださいで話は終わりなのだ。
 
まとめると、坊主嫌だ!上下関係なくしてくれ、と叫ぶのは自由だが、それとレギュラー奪取とは何の関係もない。それらはトレードオフの関係ではないので、両立を目指すのは勝手だが、今回の「就活を自由に」かつ「偽らざるを得ない」問題には、実力をつける方の側面にまったく触れず、自由だけを強調するから気持ちが悪く、学生を誤った方向に煽動するんじゃないかと懸念しているのだ。
 
自由を得たければ実力つけろ
実力ないのに構造のせいにするな
 
残念ながら資本主義社会とはこれ以上でもこれ以下でもない気がするのだ。

高校生の時に知りたいマネーリテラシー【ふるさと納税編】

┃資産形成の方程式

僕は高校の授業でマネーリテラシーを教えるべきなんではないかと常々思っている。

なぜなら資産形成の恒等式なんて高校で習うどの公式よりも簡単だ。

 

資産 = (収入 - 支出)× 運用利回り

 

これが美しき恒等式だ。どうだ、数列の公式よりよっぽど簡単だろう。

なのに世間に溢れている情報や親がすすめる情報はどうだろう?

 

節約してちゃんと貯金しなさい

 

節約はしようもあるだろうが、貯金なんてしていたところで利回りなんてほぼないのは皆さんご存知だろう。親の世代から「貯金」がなぜ呪文のように繰り返されるのかというと詳しい説明は省くが、時はバブル期、定期預金の利率が6%を超える時代を生きてきた人々なのだ。それは貯金が神話のように思えて当然だし、他の選択肢を吟味する必要があるかと言われればないのだから知らなくて当然だろう。

 

1)収入をあげる、2)支出を減らす、3)運用利回りを上げる

上記については、下記のあたりの書籍に詳しいので読んでみるといい。

 

┃本当の収入を知っているか?

ところで貴方は自分の収入を知っているだろうか?毎月預金口座に振り込まれる金額のことではない。サラリーマンは自分の稼ぎから源泉徴収という形で税金が引かれており(国が個人から税金をとりっぱぐれないようにする制度ともいえる)、その税金率は所得の約20%ほどに及ぶ。さらに社会保険料は会社と個人が折半で負担しているため、その分が人件費に織り込まれていると考えると所得の約30%ほどの税金を国に納めていることになる。サラリーマンの平均生涯所得が約3億と言われているので、約1億ほどの税金を国に納めていることになる。。

┃税金が控除された上にお礼の品がもらえる魔法の制度

上記の税金についてや、サラリーマンが行う節税の方法についてはこちらの書籍に詳しい。

数ある節税制度の中でも、今回紹介したいのは「ふるさと納税」という魔法の制度だ。

kurashinista.jp

すごく簡単にいうと、自治体に寄付をすることで、その自治体からお礼の品が届く。
これだけなら寄付という名目て商品を購入したに過ぎない。もちろん、これだけではなく、寄付額から2,000円を引いた額が所得税、住民税から控除されるのだ。

┃本当に感じる「ふるさと」の愛

上記の説明よりも筆者の体験をもとにしていただいた方がイメージが湧くだろう。

1)「さとふる」のような、ふるさと納税ポータルで寄付したい自治体、御礼品を決める。

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2)実際に寄付をする

筆者は妻が広島出身ということもあり、地元広島の中から欲しい返礼品を探した。

 

www.satofull.jp

 

3)お礼の品が到着

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そして届いたのがこちらだ。地元の良さをPRするのが制度の1つの狙いとあって、届いた返礼品のウイスキーが抜群に美味しかったことは勿論、市長さん?からの手紙などが入っており本当に行きたくなってくるから不思議だ。

4)ワンストップ特例を使えば超簡単

税金って聞いただけでうんざり、、、手続きとか面倒なんでしょ?一つだけ言えるのは、その手間を惜しむことで多くのコストを払っていることに気がつくべきだということだ。行動経済学の話ではないが、人は損失回避の思考が強い。であれば例えばだが、「ふるさと納税しないことで年間10万以上損してますよ!」と言われたほうが感じることがあるかもしれない。ワンストップ特例を使えば超簡単なのに加えて、10万以上の損失を回避できる。

www.satofull.jp

 

上記で納税の手続きは終了だ。あとは届いたウイスキーでも飲みながら、税金が控除されるのを待つだけという魔法のような制度。イケてる社会人としてマネーリテラシーは必須の教養だと思うが、その踏み絵としても「ふるさと納税」の実施有無はひとつ基準になるのではないだろうか。

┃注意点は少しだけ

・いくらでも寄付できるの?寄付額については下記のように限度があるので寄付前に確認が必要だ。(当然ながら自分が納めている税金以上に寄付はできない)

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出典 https://kurashinista.jp/column/detail/3835

・いつ戻ってくるの?確認方法は?

注意したいのが寄付してすぐに税金が控除されるわけではない。
(なので現金に余裕が無い方にはあまりおすすめできない)

shokonoaruie.com

上記記事が詳しいが抜粋すると「ふるさと納税をした翌年6月から翌々年5月までの12か月間に支払う住民税が安くなる」のだ。(ワンストップ特例を利用すると、所得税からの還付はない)

忖度なしで就活生の情報収集におすすめしたいTwitterアカウント30選

彼を知り己を知れば百戦殆からず

持論だが就活は情報戦だと思っている。私が就活していたときは、スマホなんて存在しなかったしSNSmixiがあったくらいだ。なので、企業と就活生の間の情報の非対称性はあまりにも強く、先輩達の口コミや、webなら2chみん就等の信頼度が激的に低いサイトの情報を信じるしかなかった。しかし今はどうだろう。少なくても情報の量は10年ちょっと前とは比べものにならないし、当然その中には質の高い情報もある。

ただし、量が多いがゆえに、その質の高い情報を見つけるのが大変なのだ。そして正確な情報を掴めないまま戦うと「はい、自分には御社しかありませんので本気で働きます!」とかいうトンデモ就活生が登場してしまう。逆に、「正しい努力」をすれば一定誰にでも勝ち筋はある。その「正しい努力」をするために情報戦を制する必要がある。

 

イッタランドでフォローしておきたいアカウント

ということで、結果30名ほどの方から自薦他薦をいただきつつ、忖度なし、完全主観のおすすめツイッタラーのキュレーションをしてみた。以下は予め断っておく。

  • 紹介するまでもないアカウントは割愛。著名人(田端氏)や個社名が出ているアカウント(CAオザマサさんとか)。なぜなら検索すればすぐ出てくるから。
  • 定量Tweetがある人を選出
  • 投稿内容の5割くらいが就活生のためにもなるものを選出
  • そもそも僕が知らないアカウントでおすすめアカウントも絶対ある
  • 主観、ポジショントーク万歳

余談だが、ポジションを取ってないメディア程面白くないものはない。だってそれWikipedia読んでるようなもんや。

さて前置きが長くなったが以下分類で紹介していく。

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2018年7月1日更新

┃ 企業人事が発信する就活系情報

・大手企業の事業を分析、動画がわかりやすい

・面接突破のための情報宝庫

・大手企業のESもう出した?リマインドありがとう

・誰にでも役立つフラットな情報。かつお姉さん(人妻)にモチベーションあげてもらいたければこの方。学生からの信頼が厚い。

・巷の書籍の何倍も本質をつく就活の考え方

・学生も感じているだろう就活のオカシイ構造にエモいメス。ONECAREERのお二人。

・ド直球かつ本質、丁寧に答えるアイコンがセクシーな人事OL

・わかりやすく、シンプルな就活情報

 

┃ 企業人事が発信するキャリア情報

転職市場に精通する人事。新卒就活でのハウツーは多くないが、転職市場を理解しておくと意思決定に役立つ。

 

┃ 社会人が発信する就活情報

本業が現在人事ではない人たち(おそらく)その分客観的な情報が得られる。

・忖度なしの採用側の本音

・ワンキャリアQ&Aから質問すると親身になってくれる元R

・時々濃厚ブラック元リクお兄さんとして愛のある厳しさを発揮する沖縄のお兄さん 。複数で運営しているのではないかと疑うくらいTwitterでのレスがはやい

外資のマーケターらしく物事の構造化が巧み。マーケ職目指す人は必見。

・MARCHの大学生、町田イチローさん(@MARCHdaICHIRO)が教える下剋上就活術。

www.onecareer.jp

B2Bの川上、川下メーカーというツイッタランドでは珍しい業界のお二人。就活にも明るい

・その名の通り金融村出身、切れ味が鋭い本音。6番ピッチャーだったらしい

・商社を志望する人におすすめ( @tetsushi_ito )
この記事がおすすめ↓

www.onecareer.jp

コンサルを志望する人におすすめ(@Craftmaaaaaan)

note.mu

 

 

┃ 社会人が発信するキャリア情報

・若手社会人や商社希望の人におすすめ

・元リクナビの中の人。若手社会人に通じることは就活にも通じる

・経営者の視点を感じておくことは大事。採用の意思決定は経営だから。

┃ 恋愛工学出身のリベラルアーティスト

金融日記でお馴染みのクラスタがここ、皆様一般教養に対する造詣が深く勤勉。

・就活工学サロンを運営。僕も入りたい。

・勤め人を卒業しNEETを目指す人必見。就職だけがゴールじゃないですよ?

・ロジカル、とくにかくロジカル。ロジカル恋愛論は抽象度あげればロジカル就活論になる

┃番外編

・企業研究に必要なビジネスモデルや会計をわかりやすく知りたいなら

・読んでいると気楽になれる

 

以上、随時更新予定だが筆者が注目している発信者である。

最後にワタナベカズキ君も何卒ご贔屓に!

 

2018年7月1日更新

「就活やめないなら内定とかださないから」について考えてみた

本記事はオンク氏(@it_warrior_onc)のブログのオマージュでお届けする。www.onclog.com

 

 

「内定を出そうと思うけど、6/1,2の内定者研修来られる?」

 

*******************************************

 

最近季節がらかTwitterやメディアで就活生のオワハラの被害をよく見かける。

 

www.onecareer.jp

 

ワンキャリアさん(@onecareerjp)でもこんな特集が組まれていたが、「他の企業を辞退するなら」「内定承諾書に書面して就活終わりにするなら」「6/1(名目上の就活解禁日)に研修に来られれば」「うちに決定するというコミットメントがあるなら」内定を出す等のあれだ。勿論本人もそれで迷いがないなら従えばいいとは思う。

 

ただ特に男性諸君は胸に手を当てて5回復唱してみてほしい。

 

就活やめないなら内定とかださない

就活やめないなら内定とかださない

就活やめないなら内定とかださない…

 

どこかで聞き覚えはないだろうか?

 

そう、恋愛工学生でも出会う最後のハードルであるこれだ。

 

付き合わないとそういうことしないから

付き合わないとそういうことしないから

付き合わないとそういうことしないから…

 

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このセリフを聞いたときの心境は兵糧が大事な戦いで兵糧を焼かれた壁将軍に等しい。(完全に余談だが壁ほどモッテないキャラも珍しいw)

さて、この女性からの最終命題については、恋愛工学コミュニティのマスター的ポジションであるオンク氏が冒頭の記事内で非常に美しき証明を行っている。


大事な部分を引用させてもらう。

「あたし"付き合わない"とそういうことしないから」

は、現代の恋愛で有効なアクションとなり得るのだろうか。 

もっというと、このアクションによって互いに幸せになれるだろうか。

答えはNOだ。

なぜなら、その根底には

セックスと相手からのコミットを交換しよう

というマインドがあるから。

セックスと引き換えにコミットをせがむのは極めてダサいアクションといえる。

(中略)

「セックス以外にあなたに与えられるものはありませんよ」

と言ってる女性に魅力を感じないし、長期的な関係を築きたいとは普通思わない。

 

┃内定と引き換えにコミットを引き出すオワハラ企業

 

さて、感のいい読者ならもうお気づきかもしれないが、担当直入にいうとこうだ。

 

オワハラとかそれに近いことする企業ってクソ出せくない?ねー?

それって内定しかコミット引き出せる方法ないってこと?


話はそれるが、私も人事をしていたので、もちろんコミットを引き出したいメカニズムもよくわかる。女性は男性と比べて圧倒的に生殖コストが高いから、男性からのコミットを求める。同様に、基本的に学生は無数にエントリーも内定も取ることができる一方、企業の内定出しコストは相当高い(私の以前の会社で一人内定あたり約100万+多大な工数)。なので企業からしたら高いコストをかけて見つけた採用基準の学生を逃すことや、逃した際にまた0から探すコストを嫌うため、

 

「どこにも行かず御社にコミットします」

 

という御社コミットを引き出したいという感情は男女関係と同様に本能に基づくものであるため、否定はしない。

 

ただしである。

 

我々人間は本能ではなく、理性で生きられる生物だ。

 

だとしたら企業は本能的な衝動で無理やり御社コミットを引き出すのではなく、合理的に合意を得るべきなのではないだろうか。

 

┃内定の先にあるなにか

 

再度オンク氏の論文を引用させてもらうが、

恋愛で大事なのは、

蜜壺自体の価値を釣り上げて相手からコミットを奪うことではなく、

蜜壺の先にあるなにかを与えることなのではないだろうか。 

 

この通りだと思う。企業に必要なのは、

内定自体の価値を釣り上げて、選択肢を奪いコミットを要求することではなく、

内定の先にあるなにか与えることだ。

わかりやすさを優先して誤解を生むかもしれないが、三菱商事に内定をもらって承諾をしない学生がどれだけいるだろうか?

それはオワハラなんかではなく、三菱商事のMissionに対する共感、自身の成長、合コンでモテるメリット、対価、ブランド全てを得たいものと学生が判断した結果だろう。

 

ここまで読んでもらって非常に申し訳無いのだが、本記事に関しては、だったら学生はどうしたらいいのかというソリューションは持っていない。企業に変わってもらうしかないのだ。そんな企業には行かないというのが、学生が唯一できることであるが、それを簡単に言えるくらいならオワハラなんて成立しないと思うので、残念ながらそれでは理想論にしかならない。

しかしあえて理想論に戻させてもらう。

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「そこは他の企業受けにいきます。もしそれだと内定もらえないということなら、好きだった御社が好きじゃなくなるので、それはそれで構いません」

 

おしまい

 

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もし村上春樹が、こじらせ就活生だったら

「内定はお祈りの対極としてではなく、その一部として存在する。」

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 ***

その日、僕は極めて人の多い鉄の塊(おそらくぞくにいう満員電車というやつだ)に乗り、面接が予定されている会場に向かった。満員電車というものは乗るのがいつであっても、とんでもなく苦しく、まるで肉挽き機をくぐりぬけている牛肉のような気分だ。

 

ただし、僕の息子は、面接を控える所有者の意思とはどうやら関係なく動くものらしく、昨晩寝た乳房の大きい女のことを思い出し、ピサの斜塔みたいな確度で勃起していた。いささか面倒なものを身体の一部にしてしまったものだ、やれやれ。

 

そしてなんとか会場についた僕は、今朝Starbucksで注文したコーヒーについて、なぜオリジナルブレンドにしてしまったのか、本当はコロンビアの酸味にナッツを合わせるべきでなかったのかと深く後悔をしながら受付に向かった。

 

受付では名前を聞かれた。どうやら何をするにもこの国では名前というものが必要らしい。

 

「お名前?名乗る程の名前じゃないよ。実際たいした名前じゃないんだ。僕の名前になんの意味なんてない。生まれた街にだって3人はいた。」

  

「今日説明会参加の学生ですか?お名前は何ていうんですか?」

今度は隣に座っていた就活生の制服ともいえる黒いスーツを着た男子学生が僕に聞いてきた。

 

「また名前の話か。説明しなくてはそれがわからないというのは、つまり、どれだけ説明してもわからないということだよ。わかるかい?」

 

「変わった人ですね。尖ってて面白いです!ところで内定はいくつもっているんですか?」

 

これを尖っていると呼ぶのはザハイロウズの「青春」の中に出てくるつららだけだと僕は思いながら

 

「わからない。代わりに好きな小説の話ならできる。」

 

その質問を冷たくあしらった。なぜなら質問という皮をかぶった、自慢大会が繰り広げられることになるのを僕は知っていたのだ。

 

「就活生が面接やGDの中で使う逆は、対して逆でない場合も多いんだけれども、いまの場合においては"逆"という言葉自体が何か運命を持った言葉として使われていると考えてくれ。その上で逆に君は内定の持つ意味について考えたことがあるかい?」

 

「内定の持つ意味?それは企業から選ばれた一握りの学生のことじゃあないんですか?高いお給与もらって、企業名を言えば皆が驚いて合コンでモテる夢のような権利のことですよ。」

 

「もちろんそうだ、でも」僕は続けた。

 

「内定はお祈りの対極としてではなく、その一部として存在するんだ。」

 

「つまり僕はこれまで35社のESを出して、13社突破した。しかし内定はゼロだ。ゼロという数字は不思議なもので何を掛けてもゼロなんだ。1と0の間には、童貞かそうじゃないかくらいの差がある。いささか変な話だろ?こういう感じってわかるかい?」

 

相手は僕とは格が違うと察したのか(あるいは僕を突拍子もない人間だと思ったのかもしれない)、グループディスカッションで学生達の間をぐるぐる周りながら品定めをしている人事のような顔をしていた。

 

「ところで小説の話だったね。ぼくは夏休みのプールのベンチで読む、恋人に捨てられ、気になる女性には見向きもされず、非モテな人生をおくる主人公わたなべ君の成長が描かれているフジサワカズキの『ぼくは愛を証明しようと思う。』を出鱈目に開いて読むのがたまらなく好きなんだ。」

 

「やっぱり成長って大事ですよね!ちなみに僕は内定が3つあって、どれにしようか迷っているんです。」

 

おそらく音楽でいうならサビだけ聞くタイプの彼は「今日頑張りましょう」といって名刺を一枚置いていった。そして内定の数は「3」だ。僕は3番目に寝た、左右の乳房が均等に整った女の子のことを思い出さずにはいられなかった。

 

****

「当社を志望した理由はなんですか?」

 

「はい、御社の作るランドクルーザーに強い思い入れがあります。小さいころから片親でお父さんに育てられた僕は、週末皆でキャンプに行くのが凄く楽しみでした。その週末キャンプに行くときの車が父の好きなランドクルーザーだったんです。そんな体験に加えて、大学のサークルの話です。皆で旅行にいくことが多かったんですが、普通の車で行く時と、私が父から借りたランドクルーザーで行く時だと皆の笑顔が少し違う感じがしたんです。やっぱりモノではなくてコトだって感じました。人を笑顔にすることがモットーなので、御社のランドクルーザーを通じて社会に"トヨタらしさ"を伝えたいと思っています」

 

良くマッサージされた口が、心と別に運動をしているような完璧な志望動機を先程の学生が答えた。僕はその学生が話をしている間中、口というものの役割について暫く考えていた。これほど口について真剣に考えたのはいつぶりだっただろうか。

「ではムラカミさん、あなたの強みはなんですか?」

 

「僕は僕の弱さが好きなんだよ。苦しさや、つらさも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。だから強みについて聞かれるといささか不機嫌な気分になる。わかってほしい。 」

 

面接官は何も言わずに、ペンを取った。僕はペンが人を2つに分ける「合」と「不」という記号のうち「不」に◯をしたことを見逃さなかった。涙を流さずに玉ねぎを切るコツを知っているという強みを、しぶしぶ語ろうかと迷ったが、自分を偽ることはこの時の僕には許されなかったのだ。

 

気分良く帰ってもらうことが、目的の1つでもある面接官は僕にもう1つ質問をしてきた。

 

「それでは学生時代一番頑張ったことを教えてください」

 

いわゆるガクチカだ。

 

「そんなものないんだ。つまりゼロ、僕の内定と一緒さ。他の人と同じく、学校にはそこそこ行き、それなりにバイトをしてサークルに入り飲み会をしていたんだ。崩壊しそうなチームをまとめあげた経験も、逆境を乗り越えたことだってほとんどない。申し訳ないが人の笑顔をつくることに興味もない。だってそうだろ?この時期にだけ学生リーダーがたくさん生まれるんだ。もし本当にそうなら、この国には学生分のリーダーか副代表がいることになる。笑顔だって一緒さ。そんなに皆を笑顔にするのが好きで社会人になるなら、どうしてサラリーマンは皆辛そうな顔ばかりしているんだい?ついでに言わせてもらうとランドクルーザーだってただの鉄の塊で、その意味では今日僕が乗ってきた電車もスバルの車だってただの同じ鉄さ。その鉄を格好良く装飾することで違うように見せるんだ。就職活動だってそういうものだろ?」

 

面接官が僕の発言の途中から、Facebookの友人があげるリア充な写真に手元のPCで熱心にいいね!をしていたのを僕は見逃さなかった。

 

帰り際、二度とこないかもしれない飯田橋の会社を出る際に、先程の学生に僕は呼び止められた。逃げようかと思う僕の影をまるで踏んで止めるように、学生はぼくに話かけることを強く願ったのだ。

 

「さっきのムラカミさんの答え凄く面白かったです!自分の弱さを受けいれること!これは強さですよね!アドラー心理学でもそう言われていました!2次面接でお会いできるのも楽しみにしています」

 

「大事なのは、他人の頭で考えられた大きなことより、自分の頭で考えた小さなことだ。わかるだろ?」

 

「はい、名刺の裏に連絡先があるので、ぜひまた色々教えてください!」

 

この国では「はい」の持つ意味合いが少し変わってしまったのかもしれない。

 

***

カシューナッツの他に、オンザロックに合わせるカリフラワーを茹でていた僕は、ふと、今日面接であった学生のことを思い出した。これからオンザロックに合わせて、マルクス資本論を読む予定だった僕が、なぜ彼のことを思い出したのかわからないが、それは推理小説にでてくる拳銃のように、使われるのが義務のような気がして、僕は彼からもらった名刺にかかれたTwitterを除いた。

 

今日某ト◯タの面接であった学生、マジ卍。弱さが好きとか草。一方僕は、会社の理念と自分の原体験を紐付けて、大学時代のエピソードとともに、人の役に立つのが好きなこともさりげなく伝えたからこれはもらった。 

 

僕は即RTしたが、した後にもの凄く後悔をした。なぜなら僕のフォロワーは私の裏垢と、自分の親しかいなかったのだ。

 

*** 

 

1週間後、案の定、僕のもとにはご縁がない旨を知らせる無機質なメールが届いた。「今は待つしかありません。お辛いとは思いますが、ものごとにはしかるべき時期というのがあります。」僕は村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル 」の中のセリフを思いだして自分を保とうとした。そうでもしないと自分が何かと切り離されてしまう感じがしたのだ。

 

僕は頭では止めたほうがいいとわかっていながら、同じ学生のTwitterを除いてしまった。何故だかわからないが、そうしなければいけない気がしたのだ。

あれト◯タの面接落ちた。。もうランクルなんて絶対買わない

 

僕は先日面接の受付で、Attractフェーズを難なくクリアした耳の大きな女の子に連絡をし「今から、ハーゲンダッツを食べたいから家にこないかい?とびっきり美味しい限定モデルがあるんだ」と家に誘った。彼女たちには家に来るための言い訳を与えてあげる必要があるのだ。面接の担当者が上司に学生の評価を説明するためだけに、わかりやすいシグナルを求めることに良く似ている。

 

家に来た耳の大きい女の子は、ハーゲンダッツを食べ終わるかどうかのところで僕を激しく求めてきた。

 

「ムラカミ君って本当すごいのね。これまで寝た男の中で、私の耳をここまで気持ち良くしてくれた人なんていなかったもの。本当よ。勿論選考もばっちりだったんでしょ?」 

 

「ああ、ただ面接の途中からちょっと違うと感じていたから、落ちているのかもしれない」僕はコンドームを2重に重ねるくらいに自分のプライドを厳重に守りながらこう答えた。

 

「それより君の耳だって十分すごい。胸の大きさにラベルがあるように耳の大きさにもラベルがあるなら、君はだいぶ上の部類に入る」

 

セックストリガーを最大限に引くために耳の大きな女の子を褒めながら、どうして女の子の前ではここまで忠実にテクノロジーを使えるのか、面接官の前では上手くしゃべることができないのかを考えていた。

 

答えは僕の中にあるんだ。

ただし、ものごとがあまりにも完全だと、

そのあと決まって反動がやってくる。

それが世のならいなんだ。

 

と僕は自分に言い聞かせながら空をみた。

 

空にはぽっかりと2つの月が浮かんでいた。

 

***

 

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僕は「10年後の仕事図鑑」を就活生向けに再編集しよう。

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┃10年後の仕事図鑑を就活生向けに再編集しよう

10年後の仕事図鑑

10年後の仕事図鑑

 

堀江氏と落合氏による共著。筆者は最初タイトルから、10年後になくなる仕事や、価値の高い仕事は何かということが語れるのかと思い流し読みを想定していた。しかし、著書の中で「そんな予想は占いくらい意味ない」と堀江氏が断言してしまった。アワワ。

では何が語られているかというと(筆者の解釈も多分に入るが)「10年後に価値を発揮できる生き方」とは何かという、どちらかというと職業軸でなく普遍的な「働き方」について言及されている。

本ブログは就活生用なので、乱暴ではあるが就活生を軸に本著のテーマを再編集すると下記のとおりだ。

┃現代における資産とは何か

著者の解釈による編集も入っていることと、財務観点で正確なB/Sではないのはご了承いただきたいが、過去と比較すると資産の定義がこのように変わってきている。

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B/S等あまり馴染みがない就活生向けに簡単に説明するとこうだ。毎日会社員は頑張って働いている。そこは投資という観点でみると「自分の時間を所属組織に投資をすること」で給与という資産を得て(給与を資産に入れているいるのは便宜的なのでご了承いただきたい)貯金・肩書等の形で資産として蓄えているということだ。またB/Sに現れない労働市場での資産としては企業名や役職があげられる。ここで著書の中で堀江氏も指摘している通り、給与→貯金という固定観念を捨てるべきということだ。そもそも貯金とは、第2次世界大戦中の贅沢は敵!戦費の捻出のために、郵便貯金を国が推奨したプロパガンダによるものということだ。現代日本ではマイナス金利等があるようにお金が余っている。ならば古来の概念である「貯金」という「資産」にこだわる必要はないのではないだろうか。下記にあげる「資産」が得られれば「お金」は得られるのだ。

┃10年後も価値のある資産の築きかた

では、これからの資産とは何か。著書を要約した上の表を説明すると下記だろう。

1.2 コンテンツ/フォロワー

自分ならではのコンテンツを可視化出来るかたちで持つこと。それがユニークであればあるほど市場価値は高くなる。遊びを追求した先のコンテンツにそのユニークさが生まれる。更に何かと何かのかけ合わせになればなるほどユニークさは増す。手前味噌だが、筆者のブログは「恋愛工学×就活×事業」という筆者の好きな領域の掛け合わせとしている。

また、私も悩ましいのだが(仮に)良いコンテンツであったとしても、届ける手段(狭義のフォロワー)がないとコンテンツと市場が結びつかず影響力が限られる。その意味でリアルでも良いし、SNSでも良いのだがフォロワーを多く持つことが影響力の源泉となる。余談だが、自分のコンテンツとそのフォーマットに応じてSNSを選ぶ(使い分けること)が必要だろう。TwitterInstagramで愛されるコンテンツは違うといえばわかるはずだ。

twitter.com

※上が私のTwitter。就活、ビジネス、マーケティング、恋愛工学の情報を配信しているので是非フォローしてほしい

3.知名度

これは言うまでもないかもしれないが、何を言うかも大事である一方、「誰が言うか」というのは洋の東西を問わず、昔から信用の源泉となっていたものだ。以前はこの役割をマスメディアが担っていたため、個人の知名度は微塵であった。しかしSNS等の登場で誰もがメディアになれる時代において、知名度は信用に大きな影響力を与えている。その意味では、企業名/役職という旧来の資産も「知名度」として信用獲得のために手段となっている。現にTwitter等で株式会社◯◯CEO等にはフォロワーがつきやすい傾向にあると思う。

4.能力/スキル

「できることがある」ということが可視化されやすく、評判も得やすいことや副業解禁等の流れを受け、「できる人」が信頼され、以前よりも仕事を獲得しやすくなっている。本書でも説明があるが、この能力においては、足の速さや健康等ではなく、交代可能で汎用性の高いものほど資産価値は高くなる。

5.研究

ここは落合氏ならではの観点だと思うが、正直なところ筆者にはイメージがつきずらいので割愛。

┃お金がない学生でもできる調達方法

また資産ではなく負債の点である、資金集めの方法についても少し言及したい。以前は法人が銀行や資本市場から借りることが主流で、学生ができることといえば親に借りることくらいだった。ただ表にも示したように、現代においては学生でも資金を集める方法が多数用意されている。例えばpolcaを使えば友人達から寄付と言うかたちで調達をすることができる。

polca.jp

例えばなのだが、各種就活セミナーで得た情報を全てコンテンツ化して発信します。そのために色々なセミナーにいきたいので◯◯円寄付を募ります。とか、アフィリエイトブログを立ち上げたい。そこで収益があがればバックをするから、最初のサーバー費用とコンテンツ費用を寄付してほしい。とかが可能なのだ。

┃資産が築ける会社選び

さて、ここが本題なのだが上記が10年後求められる資産が上記とすると肝心の会社選びはどうするべきだろうか。

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上記の通り、資産が築ける会社とそうでない会社を切り分けることができる。企業選びにおいては、赤字が特に重要だと認識をしているが、例えばサイバーエージェント等はこの意味で非常に巧み(企業にも個人にもwinになる)な組織づくりをしているように感じる。子会社化して重要なポストを作り役職を創出し、意思決定ルートを短縮。R25の編集長等に見られるように、誰が手がけけたgoodjobかも明確だ。賛否はあるにせよ企業ブランドも高いことに加え、藤田社長を筆頭に人事の曽山さんや、他社員の著書もたくさんあるくらいセルフブランディングにも貢献してくれているように見える。

さて長くなったが本書のエッセンスを就活生向けに再編集するとこんなところだろうか。まだ良く読んではいないのだが、メタップス佐藤氏のお金2.0も同じような内容であることが想定されるし、以前から評価経済等と呼ばれていたものにテクノロジーが追いついてきたため、今あらためて「価値」に対する考え方が見直されているのではないだろうか。 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

以下は著者の読者メモ↓

┃投資に対して資産を得られる働き方

落合:プロダクトの権利は会社に帰属するものとする。これは湯婆婆に名前を奪われるのに等しい。個人の時間を投資した結果、会社の資産にはなるが、自分の資産にならない

堀江:堀江貴文イノベーション大学校ではお金を払って皆参加しているが、お金を払いながら仕事をしている場合もある。例えば自分の表紙のデザインをお金を払いながら制作することで、それは彼の実績であり資産になる。会社員として生きることも、会社をいい意味で利用して「自分の資産を築く」ためには悪くない。幻冬舎の箕輪氏が会社を辞めずに会社のインフラを利用しているのがいい例。

 

イカれた就活システムから脱出せよ

落合:労働者根性や同一性回帰願望はひどい。就活における手書きのESやリクルートスーツに代表される「努力すること自体が美しい」「みんなと同じだと正しい」といった実価値より共感性を尊ぶ前時代的かつ全体的な在り方をインプリントされる。

堀江:大企業信奉なんてさっさと捨てろ。年功序列、それなりに給与も連続的にあがるなんて高度経済成長期の昔話であり幻想だ。

 

┃なくなる仕事・変わる仕事

管理職:管理(マネジメント)するだけならAIで十分。ビジョナリーなリーダは必要。

営業職:フォロワーのいる営業マンだけが生き残る

クリエイター:ここは実はAIが得意とするところ。確率論的に何が受けるか受けないかは統計でだいたいわかる。

┃生まれる仕事・伸びる仕事

一億総クリエイター時代:一般的なクリエイターはAIに代替される可能性はある。ただし、好きなことを突き詰めて発信していたら、いつの間にか仕事になっていた、というような個人としての趣味を追求したクリエイターなら誰でもなれる可能性がある。好きなことをかけ合わせて1/100が3つあれば1/100万になれる。

予防医療:海外に比べて日本は遅れている。

┃お金の未来

お金を貯めずに信用をためよ:

お金は本来、信用や価値を交換するための単なるツール。ならば信用や価値をシェアしあえる人間関係があれば、お金は必ずしも必要ではない。お金で買える信用があれば、どんどん買った方がいい。

学生はpolcaおじさんに甘えよう:

友達から資金をつのれるpolcaというサービスがある。若い学生はお金が余っているオジさん達からpolcaのような投げ銭サービスを利用して、価値の循環をしてみるといい。

何が「信用」「価値」になるのか:

知名度」「能力/スキル」「未来を予測するためのリサーチ=研究」。足の速さ、健康等と健康不可能なものと違い、交換可能であるような、例えばスキルのようなものほど価値が高い。