僕は就活を証明しようと思う。

完璧な就活というものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

就活生よ!三井不動産を褒めるな!むしろディスれ!!そして愛せ

skogaku.hatenablog.com

以前こちらの記事で大きな反響をいただいた企業を褒めるな!ディスれ!による企業研究シリーズ第3弾。今回初見の読者にも簡単に説明をすると、企業は自社を好きな人が欲しいのではなく、自社を成長させてくれる人がほしい。ならば企業を褒めるのではなく、むしろ企業の目指すところと現状の間にある課題点を発見するのが企業研究であり、自分ならこう解決をするというのが自己分析であり自己PRだというのが本論文の骨子である。


背景等が気になる方は上のリンクや下記寄稿文をご覧いただきたい。

www.onecareer.jp

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三井不動産の現状を知る

改めて言うまでもないが、愛のないディスりは最悪だ。愛とは何かというと、まずは相手を理解することに他ならない。まずは相手を正しく理解してみようということで、言わずとしれた三井不動産のビジネスモデルを三菱地所と比較しながら理解したい。

 

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 ※単位:百万。2018年3月期のIR資料を元にセグメント区分を編集。

 

ポイントとしては以下だろうか。

  • 法人向けビル賃貸に強い三菱、消費者に強い三井。オフィスの三菱、住まいの三井とも言える。
  • アウトレットやミッドタウン等商業施設収益も三井の方が高い。生活者の暮らしにより近いのが三井。


上記の通り、大手不動産デベロッパーの両雄であっても、持っているアセットが異なりビジネスモデルも異にしている。例えば、三菱地所がオフィス賃貸にこれほど強いのは、丸の内の大家さんと呼ばれるくらいに丸の内の土地を資産として保有しているからだろう。


なお三井不動産三菱地所を会計視点で大手町のランダム・ウォーカーさん(@OTE_WALK)が分析していた記事も非常に参考になる。


三井不動産を褒めるな!ディスれ!

さて、ここで読者の皆さんがするべきことは「より生活者に近い御社のモデルが法人メインの三菱さんよりも~」「日比谷ミッドタウンを訪れて“都市に豊かさと潤いを”が実現していることに感銘を受け~」とか目をウルウルさせながら言うことではない。誤解がないように言うが、上のあたりは必要条件ではあれど、十分条件ではないと筆者は考えている。つまり会社の理念やビジョンに共感してくれる人は欲しいが、それだけで採用になるわけではないということだ。


逆に、三井不動産ディスるポイントはどこにあるのか?

三井不動産が軸足を置く生活者マーケットは今後どうなっていくかから探ってみたい。

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出典:総務省|平成28年版 情報通信白書|人口減少社会の到来

 

三井不動産の事業課題として何よりも大きいのは、今後の国内における人口の減少だろう。さらに人口が減るだけでなく高齢化という社会問題もはらんでいる。例えばマンションを例に取ると、売上=販売個数×単価となり、人は減るため販売戸数も単価も下げざるを得ないことによる売上減少が考えられる。また商業施設も同じく生活者が払うお金が収益に繋がっているため人口減が直接的に影響をしやすいビジネスモデルになっていると言える。


もちろんマーケットのパイが減っていく中でも競合からシェアを奪うという方法は考えられるが、筆者の個人的な感覚だと三井ブランドにリーチ可能な消費者の一定のシェアはすでに獲得済なのではないかとも想像できる。


┃ディスった先にある愛

さて愛のないディスりなんて、ただの悪口であるように、ここからはその課題をどういう方向でなら解決をできるか考えてみたい。セオリー通りのグループディスカッションなら、人口を国内と海外に分解し、海外事業に脈アリ!という回答や、マンションやオフィスというハードではなく、そのハードの上にあるソフトも提供することで複数のキャッシュポイントを作るということが想像できる。ただ、主観だが日本を代表する企業として少し面白みにかけるので、もう少し壮大な絵を描いてみたい。


結論から言うと筆者が思い描いているのは、青臭く聞こえるかもしれないが“都市の再発明”である。


結論の部分を説明する前に、そもそもの「人口減少」の理由を探ってみたい。


話は一度それるが、日本の社会課題の1つに「地方創生」も挙げられる。下記を見てみると全体の全国約1800市町村のうち約半数が2040年時点で「消滅可能性都市※」となる可能性があるとされている。(※定義基準は「2040年時点で20~39歳の女性人口が半減する自治体」)

 

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 (出典)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口推計」


「日本の人口減」というのはグローバル化の中で競争力を保つにも、三井不動産の事業的にも由々しき事態であるのだが、上記のとおり地方の人口減・東京への流出から考えると、人口が東京に集中をするせいで、人口が減っていることがわかる。なぜならば、東京で絶えず耳にする「待機児童の問題」「家賃や育児にかかる費用」「子育て環境」を考えると、東京で出生率を上げるのは困難と言わざるを得ず、少し古いがデータ上でも、東京の合計特殊出生率は全都道府県の中で最下位だ。

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つまりである、日本の人口減を解決するには、東京の出生率を上げるか、子育て環境の良い地方の人口を維持するか(あるいはその両方か)となる。筆者は自分の体験からも、東京で子育てをしながら住むためのコストを稼ぎながら、2人以上の子どもを育てるのは中々にしてシビアだと感じてしまう。であれば残る選択肢は、地方の人口を増やす、ことで壮大ではあるがこの課題を解決できるプレイヤーこそが三井不動産ではないかと感じるのだ。


三井不動産のS級アセット
少し具体的に説明していきたいのだが、三井不動産の強み(格好良く言うとアセット)は下記のようなものがあげられる。


1) 人の住まいを作れる(マンション事業)

2) 住まう人のライフスタイルを作れる(商業施設)

3) 住まう人が働くハードとソフトを作れる(オフィスビル事業)

4) 海外からの観光客が滞在できる(ホテル事業)

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出典:三井不動産投資家向け説明資料

 

つまりである、人が街を形成するに足るハードとソフトを提供できるのが三井不動産の強みなのだ。であるならば、ここからはジャストアイディアでしかないが、例えば生活者の多様なライフスタイルに答える意味でも、「子育てのしやすい街」をコンセプトに「マンション」や保育所、「商業施設」を地方に作り人を誘致し、人が集まることで会社が生まれて「オフィスビル」需要が発生し、便利だから人が集まる街ができ、国内海外からの観光客も増える(ホテル事業)という街づくりであり事業成長のサイクルが生まれるのではないだろうか。


地方の街づくり、ひいては都市の再発明”三井不動産で実現することが、そのまま三井不動産の事業課題の解決にも繋がり、(これは完全に余談だが)日本版シリコンバレーのような街が誕生することを筆者は願っている。