僕は「10年後の仕事図鑑」を就活生向けに再編集しよう。
┃10年後の仕事図鑑を就活生向けに再編集しよう
堀江氏と落合氏による共著。筆者は最初タイトルから、10年後になくなる仕事や、価値の高い仕事は何かということが語れるのかと思い流し読みを想定していた。しかし、著書の中で「そんな予想は占いくらい意味ない」と堀江氏が断言してしまった。アワワ。
では何が語られているかというと(筆者の解釈も多分に入るが)「10年後に価値を発揮できる生き方」とは何かという、どちらかというと職業軸でなく普遍的な「働き方」について言及されている。
本ブログは就活生用なので、乱暴ではあるが就活生を軸に本著のテーマを再編集すると下記のとおりだ。
┃現代における資産とは何か
著者の解釈による編集も入っていることと、財務観点で正確なB/Sではないのはご了承いただきたいが、過去と比較すると資産の定義がこのように変わってきている。
B/S等あまり馴染みがない就活生向けに簡単に説明するとこうだ。毎日会社員は頑張って働いている。そこは投資という観点でみると「自分の時間を所属組織に投資をすること」で給与という資産を得て(給与を資産に入れているいるのは便宜的なのでご了承いただきたい)貯金・肩書等の形で資産として蓄えているということだ。またB/Sに現れない労働市場での資産としては企業名や役職があげられる。ここで著書の中で堀江氏も指摘している通り、給与→貯金という固定観念を捨てるべきということだ。そもそも貯金とは、第2次世界大戦中の贅沢は敵!戦費の捻出のために、郵便貯金を国が推奨したプロパガンダによるものということだ。現代日本ではマイナス金利等があるようにお金が余っている。ならば古来の概念である「貯金」という「資産」にこだわる必要はないのではないだろうか。下記にあげる「資産」が得られれば「お金」は得られるのだ。
┃10年後も価値のある資産の築きかた
では、これからの資産とは何か。著書を要約した上の表を説明すると下記だろう。
1.2 コンテンツ/フォロワー
自分ならではのコンテンツを可視化出来るかたちで持つこと。それがユニークであればあるほど市場価値は高くなる。遊びを追求した先のコンテンツにそのユニークさが生まれる。更に何かと何かのかけ合わせになればなるほどユニークさは増す。手前味噌だが、筆者のブログは「恋愛工学×就活×事業」という筆者の好きな領域の掛け合わせとしている。
また、私も悩ましいのだが(仮に)良いコンテンツであったとしても、届ける手段(狭義のフォロワー)がないとコンテンツと市場が結びつかず影響力が限られる。その意味でリアルでも良いし、SNSでも良いのだがフォロワーを多く持つことが影響力の源泉となる。余談だが、自分のコンテンツとそのフォーマットに応じてSNSを選ぶ(使い分けること)が必要だろう。TwitterとInstagramで愛されるコンテンツは違うといえばわかるはずだ。
※上が私のTwitter。就活、ビジネス、マーケティング、恋愛工学の情報を配信しているので是非フォローしてほしい
3.知名度
これは言うまでもないかもしれないが、何を言うかも大事である一方、「誰が言うか」というのは洋の東西を問わず、昔から信用の源泉となっていたものだ。以前はこの役割をマスメディアが担っていたため、個人の知名度は微塵であった。しかしSNS等の登場で誰もがメディアになれる時代において、知名度は信用に大きな影響力を与えている。その意味では、企業名/役職という旧来の資産も「知名度」として信用獲得のために手段となっている。現にTwitter等で株式会社◯◯CEO等にはフォロワーがつきやすい傾向にあると思う。
4.能力/スキル
「できることがある」ということが可視化されやすく、評判も得やすいことや副業解禁等の流れを受け、「できる人」が信頼され、以前よりも仕事を獲得しやすくなっている。本書でも説明があるが、この能力においては、足の速さや健康等ではなく、交代可能で汎用性の高いものほど資産価値は高くなる。
5.研究
ここは落合氏ならではの観点だと思うが、正直なところ筆者にはイメージがつきずらいので割愛。
┃お金がない学生でもできる調達方法
また資産ではなく負債の点である、資金集めの方法についても少し言及したい。以前は法人が銀行や資本市場から借りることが主流で、学生ができることといえば親に借りることくらいだった。ただ表にも示したように、現代においては学生でも資金を集める方法が多数用意されている。例えばpolcaを使えば友人達から寄付と言うかたちで調達をすることができる。
例えばなのだが、各種就活セミナーで得た情報を全てコンテンツ化して発信します。そのために色々なセミナーにいきたいので◯◯円寄付を募ります。とか、アフィリエイトブログを立ち上げたい。そこで収益があがればバックをするから、最初のサーバー費用とコンテンツ費用を寄付してほしい。とかが可能なのだ。
┃資産が築ける会社選び
さて、ここが本題なのだが上記が10年後求められる資産が上記とすると肝心の会社選びはどうするべきだろうか。
上記の通り、資産が築ける会社とそうでない会社を切り分けることができる。企業選びにおいては、赤字が特に重要だと認識をしているが、例えばサイバーエージェント等はこの意味で非常に巧み(企業にも個人にもwinになる)な組織づくりをしているように感じる。子会社化して重要なポストを作り役職を創出し、意思決定ルートを短縮。R25の編集長等に見られるように、誰が手がけけたgoodjobかも明確だ。賛否はあるにせよ企業ブランドも高いことに加え、藤田社長を筆頭に人事の曽山さんや、他社員の著書もたくさんあるくらいセルフブランディングにも貢献してくれているように見える。
さて長くなったが本書のエッセンスを就活生向けに再編集するとこんなところだろうか。まだ良く読んではいないのだが、メタップス佐藤氏のお金2.0も同じような内容であることが想定されるし、以前から評価経済等と呼ばれていたものにテクノロジーが追いついてきたため、今あらためて「価値」に対する考え方が見直されているのではないだろうか。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/30
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以下は著者の読者メモ↓
┃投資に対して資産を得られる働き方
落合:プロダクトの権利は会社に帰属するものとする。これは湯婆婆に名前を奪われるのに等しい。個人の時間を投資した結果、会社の資産にはなるが、自分の資産にならない
堀江:堀江貴文イノベーション大学校ではお金を払って皆参加しているが、お金を払いながら仕事をしている場合もある。例えば自分の表紙のデザインをお金を払いながら制作することで、それは彼の実績であり資産になる。会社員として生きることも、会社をいい意味で利用して「自分の資産を築く」ためには悪くない。幻冬舎の箕輪氏が会社を辞めずに会社のインフラを利用しているのがいい例。
┃イカれた就活システムから脱出せよ
落合:労働者根性や同一性回帰願望はひどい。就活における手書きのESやリクルートスーツに代表される「努力すること自体が美しい」「みんなと同じだと正しい」といった実価値より共感性を尊ぶ前時代的かつ全体的な在り方をインプリントされる。
堀江:大企業信奉なんてさっさと捨てろ。年功序列、それなりに給与も連続的にあがるなんて高度経済成長期の昔話であり幻想だ。
┃なくなる仕事・変わる仕事
管理職:管理(マネジメント)するだけならAIで十分。ビジョナリーなリーダは必要。
営業職:フォロワーのいる営業マンだけが生き残る
クリエイター:ここは実はAIが得意とするところ。確率論的に何が受けるか受けないかは統計でだいたいわかる。
┃生まれる仕事・伸びる仕事
一億総クリエイター時代:一般的なクリエイターはAIに代替される可能性はある。ただし、好きなことを突き詰めて発信していたら、いつの間にか仕事になっていた、というような個人としての趣味を追求したクリエイターなら誰でもなれる可能性がある。好きなことをかけ合わせて1/100が3つあれば1/100万になれる。
予防医療:海外に比べて日本は遅れている。
┃お金の未来
お金を貯めずに信用をためよ:
お金は本来、信用や価値を交換するための単なるツール。ならば信用や価値をシェアしあえる人間関係があれば、お金は必ずしも必要ではない。お金で買える信用があれば、どんどん買った方がいい。
学生はpolcaおじさんに甘えよう:
友達から資金をつのれるpolcaというサービスがある。若い学生はお金が余っているオジさん達からpolcaのような投げ銭サービスを利用して、価値の循環をしてみるといい。
何が「信用」「価値」になるのか:
「知名度」「能力/スキル」「未来を予測するためのリサーチ=研究」。足の速さ、健康等と健康不可能なものと違い、交換可能であるような、例えばスキルのようなものほど価値が高い。